赤ちゃんのミルク作りに水道水を使っても大丈夫?
水道水でミルクを作る時の注意点はある?
こういった悩みや疑問に答える記事です。
この記事で分かることは以下の通り。
- 赤ちゃんに飲ませるミルクを水道水でも安全に作る方法
- 水道水でミルクを作る時の注意点や調乳を避けたほうがいい場合
- 水道水に含まれる残留塩素や発がん性のあるトリハロメタンなどの物質を除去する方法
赤ちゃんのミルク作りに水道水を使っても大丈夫なのか、体に悪影響はないのか気になりますよね。
これから出産を控えているママも、赤ちゃんにとって水道水は危険ではないのか心配だと思います。
結論ですが、水道水で赤ちゃんのミルクを作っても全く問題はありません。
日本の水道水は生涯飲み続けても健康被害が出ないと言われるくらい厳しい水質基準をクリアしており、世界に誇れる安全で綺麗な水だと言われています。
しかし、場合によっては水道水でミルクを作ることで赤ちゃんの体に負担となることもあるのです。
最後までこの記事を読んで、水道水でも赤ちゃんにとって安全なミルク作りができるママパパを目指してくださいね♪
水道水で赤ちゃんのミルクを作るのは問題ない
水道水で赤ちゃんのミルクを作るのは問題ありません。
なぜなら、日本の水道水は厳しい水質基準をクリアした水であり、日本の粉ミルクも水道水で作ることを前提に調合されているからです。
しかし、水道水でミルクを作る場合はいくつか注意点があります。
- 一度沸騰させたお湯を使うこと
- 水で割るなら湯冷まし(1日以内)を使うこと
- 自宅の水道水がミルクを作る上で問題ない水質であること
これらに関しては水道水を使う上で気をつけましょう。
水道水でミルクを作るのは問題ありませんが、気をつけたいポイントや注意点もあるので解説していきますね。
日本の水道水は厳しい水質基準をクリアしている
日本の水道水は、水道法に定められる51個の水質基準項目をクリアしているため、そのまま飲んでも健康を害することはありません。
51の水質基準項目をクリアしていれば、ヒトが生涯その水道水を飲み続けても健康被害が出ないと言われています。
水道水がそのまま飲める国は、日本を含め世界でわずか12カ国。
水道水がそのまま飲めない地域では、干ばつや水質の悪さ、インフラの整備が進んでいないことが原因で水道水の衛生面が保てないことが多くなっています。
日本の水道水は世界に誇れるレベルだということが分かりますね。
水道水でミルクを作る時に沸騰させる理由は?
世界に誇れるほど日本の水道水は綺麗だと言われているにもかかわらず、水道水でミルクを作る時に沸騰させるのはなぜでしょうか?
それは、水道水の殺菌のために添加されているカルキや塩素、発がん性のあるトリハロメタンなどの物質が含まれているためです。
もちろん、日本の水道水は厳しい水質基準をクリアしているので、摂取しても健康被害のないレベルとなっています。
しかし、体の機能が未熟な赤ちゃんのためには水道水をそのまま与えるのではなく、一度沸騰して有害物質を取り除いてあげましょう。
水道水は約10分間沸騰させることで、残留塩素やトリハロメタンを除去できます。
トリハロメタンは、水道水が沸騰してから5分程度で濃度が上昇し、その後も沸騰させ続ければ蒸発するので濃度が低下します。トリハロメタンなどの物質を蒸発させて除去するため、水道水を沸騰させる時は鍋ややかんに蓋をしないように気をつけてくださいね。
赤ちゃんのミルクを作る際は、清潔なやかんや鍋などで水道水を沸騰させましょう。
尚、ケトルなどでお湯を沸かす場合は、沸騰時間が足りないため気になる物質を十分に除去するのは難しいでしょう。
水道水でミルクを作るのを避けたほうがいいパターン
水道水でミルクを作るのを避けたほうがいい場合もあります。
日本の水道水は厳しい水質基準をクリアした上で、浄水場から水道管を通って自宅の蛇口から出て来ます。
しかし、以下の場合は注意が必要です。
- 鉛製の給水管の場合
- 水道管が錆びている場合
- 貯水槽の清掃や管理が定期的に点検されているか不明な場合
水道管の衛生状態が良くなかったり、鉛製の水道管を使っている場合や中が錆びていたりする場合、また貯水槽の清潔が保たれていない場合は注意が必要です。
鉛製の給水管の場合
自宅に繋がっている給水管が鉛でできている場合は要注意です。
昭和50年代半ばまで、水道管を作るにあたり加工しやすいという理由で鉛が使われてきました。
しかし、ヒトは鉛を摂取すると健康被害を生じる恐れがあり危険なのです。
鉛は、無機鉛、有機鉛ともに職業暴露や環境汚染によって、造血系、中枢・末梢神経系、腎臓などを障害する。
また、鉛は体内に蓄積し慢性中毒として、けいれんや昏睡などの鉛脳症が重大な影響として知られている。
幼い子供は、成人と比べて鉛を4〜5倍吸収しやすく、身体からの排泄速度も低い。乳幼児及び妊婦は鉛による健康被害を受けやすく、慢性影響として小児に対する脳浮腫やニューロン変性を伴う鉛脳症が問題とされてきた。近年では、疫学研究により低濃度の鉛暴露と知能指数低下や各種行動障害との関連が疑われている。
鉛は体内に蓄積されやすい特性があり、時に重大な健康被害を生じる恐れもあるので水道管が鉛でできていないか確認しておきましょう。
2019年の時点で、約300万世帯が鉛の水道管を使っているとの調査結果もありました。
知らないうちに自分や家族が、水道水を通して鉛を日々摂取しているかもしれないと思うと怖いですね。
日本の水道水質基準では、鉛の項目が年々強化され、平成15年の時点で0.01mg/L以下となっています。
鉛も健康に害がない量の基準となっていますが、念のため自宅の給水管は問題ないか確認することをおすすめします。
自宅の水道水に鉛が入っているのではないかと不安な方は、浄水器をつけてみるのも1つの手ですよ。
我が家は、飲み水にはパナソニックの浄水器を使っています。
水道管が錆びている場合
朝起きて蛇口から水を出した時や、長期旅行などで長期間家を空けて帰ってきた時、赤色や茶色い水が出てきたことはありませんか?
これは給水管の継手に使われている鋼鉄から出るサビが原因です。鋼鉄は経年劣化で徐々に錆び、これが剥がれて水と一緒に蛇口から出てくることがあるのです。
蛇口から鉄錆などが含まれた水が出てきた場合は、バケツ1杯分(約10L)ほど水を出し続ければ、気になる水の色や臭いが緩和されるでしょう。
しかし、サビが出てくる水道管を使い続けるのは少し怖いですよね。気になる方は地域の水道局に連絡し、状態を確認してもらうのも1つの手です。
貯水槽の清掃や管理が定期的に点検されているか不明な場合
マンションや団地に住んでいる場合、蛇口からの水は貯水槽から出てきています。
実はこのマンションなどの貯水タンクは、きちんと管理や清掃がされていない場合や密閉性が低い場合、害虫が入り込んでいたり、鳥のフンなどが落ちていることがあるのです。
え、うちはマンションに住んでるから、もしかしたら汚れた水を使ってるかもしれないってこと!?
正しく貯水槽の衛生管理ができていない場合は、水槽内にカビや苔などが生えていたり、害虫が浮いていたりする場合もあります。
貯水槽の容量10立法メートルを超えるものは厚生労働省から認可を受けた事業者が管理や清掃、検査を行っている。それ以外は自主管理。建物の所有者が管理を怠っている場合も多い。
1年に1回 貯水槽の清掃や検査の実施 義務
10トン以下小規模受水槽 所有者が管理する(およそ100万件)
これらが不安な場合は、浄水器をつけたり市販の水を使ってミルクを作るのが良いでしょう。
粉ミルクを水道水で割るのは問題ない?
お湯で粉ミルクを溶いたあと、水道水をそのまま入れて割るのはNGです。
必ず、一度沸騰させて冷ました水道水(いわゆる湯冷まし)で割りましょう。
水道水には残留塩素やトリハロメタンなどの気になる物質が含まれているため、蓋をしていない状態の鍋ややかんで10分以上沸騰させましょう。
水道水での赤ちゃんのミルクの作り方
水道水での赤ちゃんのミルクの基本的な作り方は以下の通り。
- 鍋ややかんに水道水を入れ、蓋をせずに10分以上沸騰させる
- 1で作った湯冷ましを約70度まで冷ます(粉ミルクを殺菌するため70度以下にはしない)
- 哺乳瓶に必要な分だけ粉ミルクを入れ、湯冷ましを規定量入れて溶かす
- ミルクが人肌程度の温度になったら赤ちゃんに飲ませる
水道水を沸騰させる時に蓋をしないようにしましょう。トリハロメタンなどの物質は蒸発することで除去されるので、蓋をしてしまうと物質が飛んでいかなくなります。
上記の注意点を守りながらミルクを作りましょうね。
赤ちゃんのミルクを水道水で作るとき浄水器は使っていい?
赤ちゃんのミルクを水道水で作るなら、浄水器を使うのもおすすめです。
浄水器に一度通すことで、水道水に含まれる不純物や気になる物質が除去できるので、水道水をそのままミルク作りに使うより安心でしょう。
また、浄水器を通した水であれば電気ケトルで沸騰させてそのままミルク作りに使っても問題ないと考えられます。
しかし、浄水器を赤ちゃんのミルク作りに使う際にはいくつか注意点があります
赤ちゃんのミルクを水道水で作るなら、浄水器を使うのもおすすめです。
浄水器に一度通すことで、水道水に含まれる不純物や気になる物質が除去できるので、水道水をそのままミルク作りに使うより安心でしょう。
また、浄水器を通した水であれば電気ケトルで沸騰させてそのままミルク作りに使っても問題ないと考えられます。
しかし、浄水器を赤ちゃんのミルク作りに使う際にはいくつか注意点があります。
- 浄水器のカートリッジは定期的に交換されているか
- 浄水器は清潔に掃除されているか
- トリハロメタンや残留塩素が取り除ける製品か
このような項目を確認してから、浄水器をミルク作りに活用してくださいね。
浄水器を通しているからといって、粉ミルクを70度以下のぬるいお湯で溶かしてはいけません。
粉ミルクに含まれていることがある食中毒の原因菌である「サカザキ菌」や「サルモネラ菌」は、70度以上でないと死滅しないからです。
赤ちゃんのミルクを水道水で作るとき電気ケトルは大丈夫?
赤ちゃんのミルクを水道水で作る際、ティファールなどのケトルを使うのは避けましょう。
水道水に含まれる残留塩素やトリハロメタンは、電気ケトルだと沸騰時間が足りないため十分に除去できません。
また、電気ケトルは蓋をして沸騰させるため、水道水に含まれる気になる物質を蒸発させることが困難です。
電気ケトルを使ってミルクを作りたい場合は、ケトルに注ぐ水を浄水器を通した水道水か市販の赤ちゃん用の水にしましょう。
もしくは、10分以上沸騰させて作った湯冷ましをケトルで再加熱してミルクを作るのであれば問題ありません。しかし、この湯冷ましは残留塩素が抜けて細菌が繁殖しやすくなっているので、作ってから1日以内に使い切るようにしましょう。
まとめ
- 水道水で作ったミルクを赤ちゃんに与えても問題ない
- 日本の水道水は厳しい水質基準をクリアしているので生涯飲み続けても健康被害はないとされているが、赤ちゃんの湯冷ましやミルクを作る際は残留塩素やトリハロメタンを除去するため10分以上沸騰させる
- 鉛製や鉄錆の出る給水管を使っている場合は水の安全性に問題がある場合があるので水道局などに確認する
- マンションなどに住んでいる場合は貯水槽の管理や清掃が生き届いているか確認する
- 自宅の水道水の水質が気になるなら浄水器をつけたり、赤ちゃん用に調乳水を買うのもおすすめ
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